第4話
朝のルーティン、夜の気づき
月曜朝のストレッチは、思ったより難しかった。
出勤前の十分間。ベッドから出たばかりの体は予想以上に硬く、首を左右に傾けるだけで軽い違和感がある。「これが普通の状態なのか」と気づくのに、実は時間がかかった。毎日肩こりに悩まされていた自分は、朝の時点で既にどれだけ緊張していたのか。その事実を改めて突きつけられた思いだった。
ストレッチを続けて三日目。デスク到着時の肩の位置が、いくぶん違う気がする。椅子に座ったとき、いつもより楽に感じるのだ。ただし、油断は禁物だ。午後に入ると、相変わらず緊張は戻ってくる。だが、以前との違いは明らかだ。悪化のスピードが落ちている。
金曜日の終業後、ふと思い立って、自分の手帳を遡ってみた。この一ヶ月の肩こりの強度を、簡単な記号で記録していた自分がいた。いつから始めたのか、自分でも覚えていない。しかし、グラフのように並んだ記号を眺めていると、先週との明らかな違いが見える。ジグザグだった線が、わずかだが下降傾向を示し始めていたのだ。
「数字化する」ことの力を、ここにきて理解した。痛みや違和感というのは、主観的で曖昧なものだ。だからこそ、客観的に記録することで、小さな変化も見逃さなくなる。同時に、その変化が励みになる。完全な改善ではなくても、「今週は先週より少しましだ」という実感が、継続の力になるのだ。
しかし、同時に新しい疑問も浮かんでいた。ストレッチと姿勢と休憩。これらが確実に効いているのか、それとも単に時間が解決しているのか。あるいは、心理的な余裕が症状を軽くしているだけなのか。
月曜日、また新しい試みを始めることにした。
続きはまもなく
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