第6話
季節の変わり目に
栗の調理法を調べるのは、結局、金曜の夜になった。
動画サイトで「栗 簡単 調理」と検索すると、予想外に多くのレシピが出てきた。塩ゆで、蒸す、炒める。どれもシンプルな工程で、難しそうなものはなかった。最も手軽な塩ゆでを選んだ。
土曜の午前、栗を鍋に入れた。沸騰した湯の中で、茶色い殻がじわじわと柔らかくなっていく様子を眺めるのは、不思議と退屈ではなかった。かぼちゃの時と違い、完成までの時間が短い。その分、細かな変化が目に映った。
熱々のまま殻を剥くと、秋の香りが立ち上った。塩辛さと自然な甘さ。食べると、想像していたより素朴な味わいだった。
弁当箱に詰めるために、いくつか冷ました。日曜の夜、いつものように翌週の準備をしていると、栗の隣に何を置こうかと考えている自分に気づいた。
先週は、かぼちゃだけで満足していた。今週は、栗がある。その組み合わせで、何か足りない気がする。
冷蔵庫を開けると、前夜に切った大根が残っていた。浅漬けにしようか。それとも、シンプルに塩漬けにするか。
携帯を手にする前に、一度、目を閉じた。
こんなふうに、考える時間が増えたこと自体が、変化なのだと気づき始めていた。料理が得意になったわけではない。ただ、毎日のおかずを前にして、立ち止まることができるようになったのだ。
月曜の職場。また佐藤が隣に座るかもしれない。その時、栗のことを話すなら、どう伝えようか。
そんなことを考えながら、大根を塩漬けにする決断をした。
続きはまもなく
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