毎日のおかずノート

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第5話

第5話 季節の彩りが教えてくれたこと

えたんだと、改めて感じた。

職場の休憩室で、その弁当を広げていると、佐藤が隣に座った。

「あ、かぼちゃ。いいですね」

先週の会話を覚えていてくれたのか、佐藤は自然な笑みで言った。別に褒められたわけではなく、ただ季節のものを見つけたことを認識されただけ。なぜか、それが嬉しかった。

「簡単に作れるレシピを見つけたんです。煮るだけで」

返すと、佐藤は箸を進めながら「そういうのが一番いいんですよ。料理って、難しく考える必要ないんです」と言った。

その言葉は、以前なら聞き流していたかもしれない。でも今は違った。自分も少しだけ、そのことを理解し始めていたから。

帰路の駅前スーパーに、再び足を止めた。季節の野菜コーナー。先週まで見えていなかった風景が、今は違う見え方をしている。

かぼちゃの横には、栗が積まれていた。その奥には、新しい種類の根菜も並んでいる。

どれを選ぶべきか。その判断をする時間が、最近は面倒ではなく、むしろ落ち着く瞬間になっていた。

手に取ったのは栗。調理法は、まだ知らない。だが、かぼちゃの時のように、シンプルなレシピが存在するはずだと、根拠なく信じることができた。

家に帰って、スマートフォンを開く前に、栗をまな板の上に置いた。

明日の朝。それとも週末に。タイミングは、焦らず決めよう。

そう思いながら、小さなおかずが一つ増える予感を、静かに楽しんでいた。

続きはまもなく

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