ルーチンハンター

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第1話

第一話 朝6時の絶望

朝6時。佐藤は既にメールボックスを開いていた。

昨日の夕方に届いた営業からの依頼メール32件。顧客からの問い合わせ対応の記録化。請求書の確認と入力。Slackで上がってくる雑多な質問。毎日、これ。

「本来の仕事をする時間がないんだよ、真面目に」

隣の席の高橋は別の話だ。あいつは去年からAIエージェントを使ってるらしい。定期レポートの自動作成、顧客データの整理、果ては会議の議事録まで。聞いた話だと導入初期は結構やられたらしいが、今は仕事の流れが変わったって言ってた。

「でも、あれって本当に使えるのか」

ネットで調べてみると、確かに事例は多い。ただし、設定が複雑そうだ。プロンプト、API連携、運用ルール。半年前の自分だったら触る気もしなかったと思う。

だが、今朝は違った。メールを捌きながら、ある記事を見つけた。小規模チームでの実装例。特に印象的だったのは、「最初は小さく始めること」という箇所だ。

お昼、佐藦は試しに何かやってみることにした。まずはシンプルな自動化から。毎日同じフォーマットで届く営業報告メール。それを自動で整理して、Excelに落とす。その程度なら、できるかもしれない。

「試しにやってみるか」

夜、コーヒーを飲みながら、デスクトップの前に座る佐藤。設定画面を開く。想像より複雑じゃない。むしろシンプルだ。ドキュメントを読んで、いくつかのルールを設定した。30分後、テストメールを送る。

エージェントが動いた。

営業報告メールを読み込んで、自動で項目を分類。期限、顧客名、案件ステータス。全部、正確に抽出されている。

「あ、これ...使えるぞ」

次の朝、佐藤は6時の絶望を感じなかった。なぜなら、営業報告メール32件が既に整理されていたから。その時間で、本当にやりたかった企画書の骨組みを作ることができた。

ただし、問題も見えた。データの精度が100%ではない。稀に誤分類がある。エージェントを信じすぎるわけにもいかない。運用ルールを決めないと、混乱するだけだ。

「こっからが本番か」

佐藤は高橋の席に向かった。

続きはまもなく

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