第4話
第4話 「使われなかったものたちの理由」
押し入れの奥から、もう一つ箱が出てきた。今度のラベルには、より古い日付が書かれていた。前の前の部屋から、さらにその前の引っ越しまで遡る。つまり、この箱は少なくとも三度、新しい家へ運ばれてきたことになる。
主人公は息を吐いた。運搬料、保管スペース、そして時間。このたった一つの箱が、どれほどの負荷を自分に与え続けてきたのか、初めて意識した。
テープを切ると、中から出てきたのは、かつて「いつか使う」と思っていたもの。工芸用の材料、読みかけの本、服飾の雑誌の切り抜き。全部、「いつか」が来ないままだった。
「なんで捨てなかったんだろう」
呟きながら、一つ目の雑誌を手に取った。ページをめくると、古い付箋が貼られている。その時点での自分の関心、夢、やりかけのプロジェクト。すべてが数年前で止まっていた。
悪いわけではない、と主人公は思った。あの時の自分は、これらが大事だと信じていた。だから何度も引っ越しのたびに、重い思いをして運んできた。でも、今の自分にとって、これらはもう必要ない。それだけのことだ。
リビングの仕分けの山は、さらに高くなった。売る、寄付する、捨てる。三つの選択肢を前に、主人公は迷わなくなっていることに気づいた。使われなかったものたちは、もう答えを教えてくれている。その痕跡の薄さが、すべてを物語っていた。
明日は、この山のいくつかを処分する。新しい家に、本当に必要なものだけを揃える。そう決めると、妙にすっきりした気持ちになった。
しかし、その時だった。季節ものの箱の奥から、小さな箱がもう一つ出てきたのは。
続きはまもなく
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