第7話
「ギャップ」を味方にする
やりたいことと現実のズレ。その距離感を、どう埋めるか。
この問いに向き合うようになって、私の自炊は変わり始めました。
かつての私なら、この局面で「全部やる」か「全部やめる」かの二者択一を迫られた気がしていました。けれど、実はそうではなかったんです。
たとえば、季節の食材を使いたいという願い。これは、毎回新しい食材を探して、新しいレシピを学んで、という大がかりなことではなく、いま家にあるもので考える癖をつけるだけで、ぐんと現実に近づくことに気づきました。
友人を招いて何か作りたいという夢も、急にコース料理を用意する必要はなく、いつもより少し丁寧に、いつもの食卓を整える。そこから始まるんだと気づいたのです。
ギャップは、欠落ではなく、工夫の入り口なんだ。
忙しさや疲労は消えません。時間だって限られています。でも、その「限られた中で」何ができるか、という問い方をすると、不思議と答えが見えてくる。時には予想外の形で。
小さな変化の段階では「工夫」が無意識でしたが、ここからは違う。自分のギャップを認識することで、初めて意識的な工夫が始まるんです。
この転換点を越えた時、毎日のごはんは単なる「続ける対象」ではなく、自分を知るための鏡になりました。
次の章では、そうした意識的な工夫が、どのように形になっていったのかをお話しします。
続きはまもなく
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