軌道上の声

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第3話

第3話 折り返し地点

繰り返される音。田中はヘッドフォンを外し、耳を休めた。朝日が基地の窓を赤く染め始めている。

三ヶ月。信号がずっとそこにあったということは、発信源は静止していないということだ。軌道計算を見直す。信号の到着時間差から逆算すると、発信源は時間とともに位置を変えている。正確には—近づいている。

田中は計算シートを引き出した。現在の軌道速度を保つなら、発信源はあと何年で太陽系内に到達するのか。手書きの筆算。電卓での再確認。数字は変わらない。

「十八年」

つぶやきが室内に響いた。十八年後。自分はまだこの基地にいるだろうか。その時、この信号は何をもたらすのか。

端末の通知が鳴った。朝番の同僚が到着する時間だ。田中は画面をロックし、レポートを整理する手を止めた。今、報告すべきか。それとも、もう少し—

ドアが開く音。同僚の足音が廊下に近づいてくる。

田中の指が、保存ボタンの上で揺れていた。

続きはまもなく

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