5時起きの選手権

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第2話

朝の静寂に揺らぐ決心

5時起きは3日で終わった。

4日目の朝、目覚まし時計の音で目が覚めたのに、布団に戻ってしまった。あと5分、あと10分。そのまま7時まで寝た。朝練に間に合わず、コーチに睨まれた。

「何やってんだ。昨日まで頑張ってたじゃないか」

同期のタケシに言われた。自分でも分かってた。あの朝日を眺めた感動は、4日目には薄れていた。

夜、もう一度あの記事を読み直した。選手は「朝の時間が全てを決める」と言ってたけど、具体的には何をやってるのか書いてなかった。ただ起きるだけじゃダメなのか。リビングで朝日を眺めるだけで、何が変わるのか。

5日目の朝、5時に起きた。今度は違うことをしてみようと、スマートフォンで軽いストレッチの動画を見た。10分で終わった。また何もすることがない。窓の外はまだ薄暗い。時間が長く感じた。

6日目は起きられなかった。

7日目、タケシが朝練の前に声をかけてきた。

「お前、何か変わろうとしてるんだろ。でも独りでやってると、続かないと思うよ」

タケシ自身、何か朝にやってるのか聞いてみた。すると、彼は毎朝4時半に起きて、大学の図書館が開く前に近所の公園で走ってるという。別に誰かに言われたわけじゃなくて、自分で決めたらしい。

「なんで続いてるんですか」

「続いてるっていうか、やめる理由がないんだ。朝走ると、その日一日、体が軽い。それだけ」

それだけ、という言い方が妙にしっくりきた。朝日を眺めるだけで何かが変わると思ってた自分は、何を期待してたのか。

翌朝、タケシに誘われて、朝4時半に起きた。公園は真っ暗だった。街灯の下で、タケシと二人、準備運動を始めた。

走り始めると、体は重かったけど、朝の空気が肺に入る感覚は新しかった。信号待ちしてる間、横でタケシが「慣れてくると、これがないと調子悪くなる」と笑った。

帰ってから、シャワーを浴びて、朝日の中で朝食を食べた。時間はまだ5時半。朝練までまだ1時間ある。

これが朝の時間か。一人じゃなくて、誰かと一緒だと、違うのか。

続きはまもなく

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