第8話
形から始まる、形を超える
オンラインスクールなら、キャリアサポートもあるし、同期の仲間もいるし、何より「卒業」という明確な区切りがある。母も安心するだろう。
でも僕は、その夜、決断した。
高額スクールには申し込まない。Udemyも、YouTube も、使い続ける。ただし、受動的に「完了」を目指すのではなく、自分の作るものの下支えとして。
翌日、大学のキャリアセンターに行った。エンジニア採用の話を聞きたいと。担当者は、意外にシンプルなことを言った。「学習方法より、何を残すかです。ポートフォリオがあれば、どこで何を学んだかは二の次です。ただし、未経験だと、学習の過程を説明できる人の方が信頼されますね」と。
つまり、YouTubeもUdemyも、高額スクールも、すべて正解であり、すべて不十分なのだ。大事なのは、どこで学ぶかではなく、学んだことで何を作り、それをどう説明できるか。
帰り道、母に電話した。「小さいアプリだけど、作った。これからもっと大きなものを作る。形にしていく」と。
母は笑った。「そっか。頑張ってね」
講座の地獄は、実は選択肢の多さそのものではなく、選択肢の中に「正解」を求めようとする心の迷いだったのかもしれない。
ノートパソコンを開く。次のプロジェクトは、もう思いついている。学習は続く。ただし今は、消費ではなく、創造の中で。
(完)
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