第4話
選択を重ねる中で
翌日、僕は思い切った決断をした。高額スクールの申し込みボタンの手前で、一度立ち止まったのだ。
母への返信は、シンプルにした。「もう少し考える」と。
その代わり、別のことを始めた。図書館で借りた本を、毎日少しずつ読む。YouTubeの動画も、「完了」を目指さず、理解できるまで何度も見直す。Udemyの講座も、すべてを終わらせるのではなく、今の自分に必要な部分だけ進める。
こうしていると、不思議なことに気づいた。講座を「修了する」という目標がなくなると、学習そのものが軽くなったのだ。完了できなかった罪悪感も、新しい講座を買う衝動も、少しずつ薄れていった。
一週間後、先輩の鈴木に、自分が試していることを話してみた。彼は頷いて、こう言った。「それでいいんだ。エンジニアになるまでの道は、一本道じゃない。色々試して、その中で何が自分に合ってるか気づく。その過程が大事なんだよ」
ただ、完全に安心したわけではない。周囲を見ると、相変わらず新しい講座を買っている人たちがいる。SNSでは「この講座で人生が変わった」というような投稿も見かける。その度に、自分の選択が本当に正しいのか、揺らぐ瞬間がある。
でも今、その揺らぎすら、学習の一部だと思えるようになっていた。
続きはまもなく
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