オフシーズンの過ごし方

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第3話

第3話 模試の結果

十二月の初旬、初めての模試を受けた。

会場は予備校だった。高校生に交じって、俺は答案用紙に向かっていた。周りの受験生の鉛筆の音が、やけに大きく聞こえた。野球の試合で感じるプレッシャーとは違う。相手がいない。自分との戦いなのに、どうしようもなく孤独だ。

三時間の試験は、二十年ぶりの経験だった。体力ではなく、集中力が削られていく感覚。途中で何度も、時計を見た。

二週間後、結果が返ってきた。合格ラインまで、あと二十点。妻は「よく頑張ったね」と言ってくれたけど、俺にはそれが励ましなのか、慰めなのか判断できなかった。

勉強部屋に籠もる時間が増えた。今は一日三時間やっている。朝一時間、昼に一時間半、夜にもう一時間半。脳の疲れ方は相変わらずだが、体は慣れてきた。背中の痛みも減った。

しかし、頭の中は整理できていない。野球なら、できていないプレーは何度も反復する。でも勉強は、間違えた問題を何度やり直しても、本当に理解できたのか確信が持てない。知識が、体に染み込まない。

フロントから、来季の契約更新について打診があった。今年は怪我もなく、成績も悪くなかった。監督からも続投を望む声が上がっているらしい。

妻に相談すると、「あなたが決めなさい」と言われた。応援はしてくれるけど、判断は俺に任せるということだ。

試験まで、あと三ヶ月弱。来季契約まで、あと一ヶ月。

両方、手に入れられるのか。それとも、どちらかを選ぶ必要があるのか。机の上の参考書を見つめながら、俺はまだ、その答えを見つけられないでいた。

続きはまもなく

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