第6話
第6話 音の向こう側
どちらにせよ、自分も同じ道をたどっているのだと気づいた。
翌日も朝日を浴びた。シーツは交換し、寝る前のスマートフォンは遠ざけた。昨晩の工夫をもう一度繰り返してみた。すると三日目の朝も、目覚まし時計の前に目が覚めた。
この小さな成功が、思った以上に心を動かしていた。何かが変わりつつあるという実感。それは疲れの質の変化だけではなく、日々の選択に対する意識の違いかもしれない。
金曜の夜、隣人の生活音はいつもより遅く聞こえた。もしかして休日前だからだろうか。その音を聞きながら、ふと想像した。隣人も、同じように試行錯誤を重ねているのではないか。すべてを完璧に知っていたわけではなく、何度も失敗しながら、少しずつ整えていったのではないか。
壁の向こう側で何が起きているのか、実際には知りようもない。だが、その規則正しい音は、少なくとも誰かが何かに向き合い続けているという事実を示していた。
自分も、この道の途中にいるのだ。完成形ではなく、過程の中にいる。その認識が、これまでになく心地よかった。
週末に入る前夜、自分は改めてスマートフォンを手にした。今度は、次に試してみたいことを検索していた。
続きはまもなく
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