画面の向こうの距離感

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第3話

画面の奥の、誰かの顔

推しの歌声か、それともコメント欄に映る自分たちの存在か。その問いは、スマホを置いても消えなかった。

翌日、大学の図書館で友人に会った。昨夜のライブの話になると、友人は「結局さ、配信って一人で見てるんだよね」と言った。その言葉が、自分の違和感と重なった。

帰宅後、SNSを開いた。推しのアカウントをスクロールしていると、配信ライブ中に撮られたという写真が投稿されていた。映像から見える推しの表情は、カメラに向かって笑顔を向けているように見えた。だが、その笑顔の先にあるのは何なのか。画面の向こうにいる何千人もの視聴者か、それとも、もっと別の何かか。

ふと、推しのインタビュー記事を思い出した。そこには「配信ライブは、距離は遠いけれど、心は近い」という言葉が書かれていた。本当にそうなのか。それとも、推しも、私たちと同じく、その距離感に揺れているのではないか。

夜中、コメント欄で知り合った同じ推しの人から、ダイレクトメッセージが届いた。「昨夜のライブ、一緒に見てくれてありがとう」というメッセージだった。見知らぬ誰かからの、初めての直接の言葉。

スマホを握る手が、少し温かくなった。

続きはまもなく

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