第1話
第一話 推しとの距離
配信ライブの画面を見つめながら、わたしはコメント欄に「推しが輝いてる」とだけ打ち込んだ。スマホの向こうには、得意の歌を披露するアーティスト。自宅のベッドの上から見える、それは劇場との違う緊張感だった。
配信ライブって不思議だなと改めて思う。会場でのライブなら、空間を共有する一体感がある。でも配信だからこそ、推しの細かい表情が見える。カメラワークで意図的にアップになった瞬間、目があった気がする幻想。それがたまらない。
コメント欄が流れていく。同じ推し活をする見知らぬ誰かたちの喜びが、文字になって可視化される。「推し最高」「泣きそう」「ここすき」——その瞬間、自分は一人じゃない感覚に包まれた。
昨日、友人から「配信ライブって本当のコンサートじゃないでしょ」と言われた。その時は言い返せなかった。でも今、画面越しに推しの歌声を聞きながら、それは違うんじゃないかと思える。
違う形の繋がり。違う形の応援。それが配信ライブなんだ。
続きはまもなく
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