月3万円の謎

6/6

第6話

第6話 銀行員の一言

朝の9時ちょうど、銀行のコールセンターに繋がった。

「かしこまりました。では、ご登録いただいているサービスの一覧をお調べしますね」

銀行員の声は落ち着いていた。これまでに何度も同じ質問を受けてきたのだろう。待ち時間、保留音が流れた。

画面を見ながら、メモ帳を開いた。6件の未確認課金。その中には、アプリをダウンロードした覚えのないものばかりだった。

「お客様、確認が取れました。ご登録サービスは現在14件です」

14件。

メモに書かれているのは6件。つまり、残り8件は発見すらしていないということだ。その瞬間、手の中のペンが重くなった。

「そのすべてが課金状態になっているんですか」

「はい。ご指摘の通りです。ただし、いくつかのサービスについては、登録の形跡がお客様の端末に残っていないケースもあります」

登録の形跡が残っていない。その言葉の意味をゆっくり考えた。つまり、自分で登録したはずなのに、削除されている可能性もあるということか。それとも、最初から登録を意識していなかったのか。

「最後に一つ質問させていただきたいのですが」銀行員が続けた。「これらの課金、すべてに心当たりがおありでしょうか」

そのシンプルな問いに、答え方がわからなかった。

続きはまもなく

目次

コメント