第1話
第一話 靴箱の向こう側
朝、靴箱を開けようとしたら、中身が崩れ落ちた。
何足あるんだろう、と数える気力もなく、そのまま出かけた。いつもの黒いスニーカーで。
オフィスで同僚が新しいバッグを見せてくれた。シンプルな形、上質な素材。「これ、長く使えそう」って言ってた。羨ましかった。私のバッグはどうだろう。家に帰ってから数えてみたら、13個あった。ほぼ使ってない。
その夜、YouTubeで「ミニマリスト」って動画が出てきた。正直、胡散臭いなって思った。でも、その人の部屋が映ると、なんか落ち着いた。物が少ないって、こんなに気持ちいいんだ。
翌日、靴箱を整理し始めた。本気じゃなくて、試しにって感じ。本当に必要な靴だけ、5足に。驚いたのは、朝の選択肢が減ると、迷わなくなったこと。それだけなのに、なぜか時間に余裕が生まれた。
バッグも同じ。毎日使える1個を選んで、残りは段ボール箱へ。
小さな変化だけど、何か違う。部屋の空気が変わった気がする。次は何を減らそう。そう考えてる自分が、いつもより少し軽い。
続きはまもなく
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