第3話
落とし穴
「あなたに最適な副業はプログラミングです」
診断結果は意外だった。俺はプログラミングなんてやったことがない。だが、その直後に「初心者向けプログラミング講座・今だけ割引中」という広告が現れた。タイミングが良すぎる。
朝6時。あと1時間で仕事の準備をしなければならない。なのに、画面には情報が溢れている。
—— 月100万稼げる。
—— 隙間時間だけでOK。
—— 経験不問。
全部本当だとしたら、なぜ皆、普通に働いているんだろう。
スマホを見ると、佐藤からの返信がまだ来ていない。代わりに、知らない番号からのメール。「あなたに特別な案件があります」。開く気がしない。
コーヒーは冷めていた。朝5時に起きた目的は何だったのか。副業を始めることではなく、「正しい副業の選び方を知ること」だったはずなのに、辿り着いたのは、選択肢の多さに圧倒される朝。
「これがサイドハッスルか」と呟きながら、俺は思わずGoogleで「副業 詐欺」と検索していた。出てきた情報も、結局は売り込みばかり。
シャワーを浴びて仕事に向かう準備をしながら、一つだけ確実なことに気付いた。
この朝活は、俺を行動させたが、判断させてはくれていない。
続きはまもなく
目次