余白を選ぶ

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第一話 段ボール箱との対話

引っ越しの朝、部屋は段ボール箱に埋もれていた。3年住んだアパートを出るにあたり、荷造りは想像以上に時間がかかっていた。

服を詰めながら、ふと手に取った一枚のシャツがある。買ったときは気に入っていたはずなのに、ここ半年、袖を通した記憶がない。なぜ持ってるんだろう。そう思いながら、とりあえず箱に入れる。

本棚も同じだ。積み上がった本たちを見ていると、買った当初の「いつか読もう」という気持ちがすっかり薄れているものばかり。でも捨てるのは、なぜだか気が引ける。

昼過ぎ、疲れて床に座り込んだ。周りに積み重ねられた箱を見ながら考える。これ、全部、自分が選んだものなのか。それとも、いつの間にか、ただ積み重なってしまったものなのか。

新しい部屋の間取りを思い出す。前の部屋より、少し小さい。だから、もしかして、この機会に本当に必要なものだけを選ぶってことができるんじゃないか。

そんなことを考えながら、もう一度、段ボール箱の中身を見つめた。

続きはまもなく

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