オフィスの幽霊

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第1話

第一話 二人の朝礼

朝8時55分。俺は会社のオフィスに久しぶりに足を踏み入れた。月一の出社日だ。ここ3年、ほぼリモートで仕事してきたから、この場所はもう他人の空間に感じる。

エレベーターで7階に着くと、部長から急遽出社するように言われたメールが届いていた。昇進について話があるらしい。心臓が少し高鳴った。

デスクに向かって歩いていると、目の前の景色がおかしいことに気づいた。自分のデスク。座ってる。俺がいる。いや、別の俺がいる。

そいつは俺と同じ顔で、同じ服を着て、パソコンに向かってた。画面には朝礼の資料が映ってる。朝礼はもう始まっているはずなのに。

「あ、お疲れっす」

もう一人の俺が振り向いた。声も俺そっくりだが、なぜか自信に満ちてる。

「お前、誰だ?」

「え、それはこっちのセリフ」

デスク周りを見渡すと、おかしなことばかり。パソコンのモニターは俺が持ってるのと違う。デスク上には、金色の『営業成績最優秀賞』のプレートが置いてある。

「あ、朝礼始まるから行かない?」もう一人の俺が立ち上がった。

会議室に向かいながら、もう一人の俺は歩きながら話しかけてきた。

「3年前からずっと、ここにいるんですよ。リモートじゃなくて。毎日オフィスで働いて、同僚と飲みに行ったりして。そしたらこんなことになった」

「こんなことって何だ」

「あなたはリモートで、ここにいるのは俺になった。不思議だと思いません?」

そのとき、部長が俺たちを見つけた。

「おお、二人いた。丁度いい。昇進の件、話したいんだが」

もう一人の俺は、にっこり笑った。その笑顔は、自信と疲労が混じったものだった。

「部長、この人のこともご存知ですよね」

部長は首を傾げた。

「?誰だ、こいつ」

続きはまもなく

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