第1話
第一話 5分だけなら
朝6時55分。目覚まし時計の音で起きた俺は、いつもの通りベッドでゴロゴロしていた。スマホを手に取ると、フォローしてるアカウントが「朝5分の勉強を続けて3ヶ月」みたいなポストを上げていた。その下にはいっぱい応援コメント。
またこういう話か、と思いながらも、コメント欄を見てたら「5分だけならできそう」って書いてる人がいっぱいいた。そっか、5分なら俺にもできるかも。そんな軽い気持ちだった。
大学の講義についていけなくなって、このままじゃやばいと思ってた。でも机に向かうと、参考書を開くのすら億劫になる。休学も考えたし、もう勉強なんて無理なんじゃないかとすら思ってた。
スマホを置いて、とりあえず出してみた。高校の時使ってた古い単語帳。パラパラめくってみると、懐かしい感じがした。ページには自分の走り書きがいっぱい残ってた。
よし。5分だけやってみるか。
枕元に単語帳を置いて、スマホのタイマーを5分にセット。朝日が少しずつ窓から入ってきてる部屋で、ページを開いた。最初のページから。知ってる単語ばっかりだけど、なんか新鮮に感じた。
タイマーが鳴った。あ、もう5分か。意外とあっという間だった。でも妙に爽快感があって、その日の授業に行く気持ちが違った。
次の日も、その次の日も、同じことをした。5分って短いから、続けやすかった。10分やろうかなと思う日もあったけど、無理に伸ばさず5分で終わらせた。ルールは守った。
そしたら1週間もすると、朝のルーティンって感じになってきた。ベッドから出て、単語帳を開く。それだけなのに、一日の始まり方が変わった。
まだ何も成果は出てない。テストだっていい点とってないし。でも、なんか「やってる感」がある。それって結構大事なんだなって、初めて気づいた。
続きはまもなく
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