第1話
第一話 銀行口座の片隅で
会社から初めてのボーナスが振り込まれた日、スマホの残高表示を何度も確認した。税金だの社会保険料だのが引かれて、思ったより少なかったけど、それでも人生で一番多い金額だった。
貯金箱に入れるわけじゃないから、銀行口座に入ったままの数字。利息なんてほぼ0に近い。友人の田中は「この時代に普通預金は罪」とか言ってたけど、そこまで極端かなあって思ってた。でも正直、このままってなんか損してる気がする。
そこで目に入ってきたのが「投資信託」という言葉。SNSで見かけることが多くなった。難しそうだし、お金を失ったら怖いし——でも一方で、何もしないままじゃずっと変わらないなって気づいた。
投資信託ってようは、プロが代わりに運用してくれるやつだよね。株とか債券とか、色々詰め合わせみたいな。手数料がかかるけど、自分で個別株を選ぶより楽らしい。ただ元本保証じゃないのが怖い。減ったら嫌だし。
昼休みに同期の佐藤に聞いてみたら「俺も最近始めたよ」って。え、同期が?って驚いた。話を聞いてると、意外とシンプルだった。つみたてNISAとかいう制度もあって、税制優遇があるって。
夜、ベッドの中でスマホ片手にネット検事してた。手数料が安いやつ、リスク低めのやつ、初心者向けのコラムとか。情報多すぎて頭がくらくらする。でも一つ気づいたのは、みんな最初はこうなんだってこと。完璧な判断ができるまで待ってたら、永遠に始まらないってやつだ。
明日、アプリをダウンロードして、試しに1000円から始めてみようかな。銀行口座の片隅で眠ってるこのお金を、少しだけ働かせてみる。失敗するかもしれないけど、何もしないより前に進める気がする。
続きはまもなく
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