ページの向こう側

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第3話

ノートの外側

ノートが僕を変えたのか、それとも僕がノートを変えたのか。その問いは、次の本を読んでいる最中にも頭をよぎっていた。

二冊目は、前のものより難しい本だった。最初の章から、何度も読み返す箇所が出てきた。いつもなら、そこで諦めかけるところだ。でも今回は違った。理解できない部分を、そのまま青いノートに書き出してみた。「ここの論理が追えない」「なぜこうなるのか」。否定的な感想も、躊躇なく記した。

そしてしばらく読み進むと、後ろの章で、その答えが示されていることに気づいた。最初は疑問だった部分が、文脈の中で意味を持ち始める。ノートに書いた問いが、読む手がかりになっていたんだ。

ある日、図書館で先輩に会った。青いノートを見つけた先輩は、ページをめくってくれた。乱雑な走り書き、訂正痕、余白にある図。完成度の高さなんてない記録を、先輩は無言で眺めていた。

「いい状態だね」と、先輩は静かに言った。「これ、ノート選びじゃなくて、読み手自身が変わってきたってことだよ」

そう言われて、何かが明確になった気がした。でも同時に、新しい疑問も生まれていた。変わった読み手は、いつまで変わり続けるのか。ノートなしでも、この向き合い方は保ちながら読めるのか。本当の意味で、読書と向き合うってどういうことなのか。

それらの問いを抱えたまま、僕は次の本へと進もうとしていた。

続きはまもなく

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