月給25万円からはじまる

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第6話

最初の一歩

最初の3000円が引き落とされた時、思っていたより平気だった。

むしろ、給与明細を見て「あ、始まったんだ」と認識した瞬間、不思議と落ち着きが生まれた。田中の言葉が効いていたのだろう。20年という遠い目標ではなく、「今月、この3000円がどうなるのか」という、もっと近い視線を持つようになっていた。

スマートフォンのアプリで、口座の残高を確認する癖がついた。最初の1ヶ月は、投資信託の価格がわずかに上がったり下がったり。数十円単位の変動に一喜一憂している自分に気付いて、少し笑ってしまった。この金額なら、失ったところで家計が破綻することはない。そう思うと、変に力が抜ける。

昼休み、田中に「毎日チェックしちゃってます」と報告すると、「その癖は程よく抜いた方がいい」と笑われた。でも同時に、「少しずつ興味が湧いてくる時期だよ。ここからだ」とも言われた。

帰宅後、改めて調べ直してみた。投資信託の仕組み、手数料、どの銘柄を選べばいいのか。前は難しそうで目を背けていたことが、今は少しだけ理解できるような気がしていた。

まだ分からないことばかりだが、その『分からなさ』そのものが、どことなく新鮮に感じられた。

続きはまもなく

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