スクリーンの向こう側

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第1話

第一話 測定不可能なもの

月曜の朝、田中は自宅の机に向かいながら、Slackの通知音を数えていた。9時から11時までで47回。オフィスにいた頃は、こんなに細切れにされることはなかった。いや、正確には気づかなかったのかもしれない。

その日の午後、経営層からメールが届いた。「生産性向上プロジェクト」への参加依頼である。内容は曖昧だったが、リモートワークとオフィス勤務の効率性を比較するというものらしい。部門長は「参加してくれ」と言い、断る雰囲気ではなかった。

田中は思考した。生産性とは何か。自分がこの一年間でやってきた仕事の質は、オフィスにいた時より落ちたか。むしろ集中力は増した気がする。ただ、上司からは「成果が見えにくい」という言葉を何度か聞いた。

その夜、プロジェクト専用のチャンネルに招待された。メンバーは十名。様々な部門から選ばれた人物たちだ。ファシリテーターは外部のコンサルタント、佐伯という女性だった。初日のメッセージは簡潔だった。

「これからの四週間、各自の業務パフォーマンスについて、様々な角度からデータを取得します。客観的な測定を心がけます」

田中は画面を見つめた。測定可能なものと、測定不可能なものがある。その違いを、この会社は理解しているのだろうか。リモートの机の上で、彼は静かに首をかしげた。

続きはまもなく

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