朝焼けの道標

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第3話

習慣の重さ

会社に着いてから三日目の朝も、目覚まし時計が鳴る前に目が覚めた。

同じ時間。同じ裏通り。同じ信号。毎日同じ道を走ることが、いつの間にか体に刻まれ始めていた。四日目、五日目と走るにつれ、その固定性の中に、微かな変化を探すようになった。

花屋の主人・年配の女性の顔が覚えられた。今朝、彼女は昨日と違う色の鉢植えを出していた。赤から白へ。季節の移ろいか、それとも客の好みか。理由は知らないまま、その白い花を毎朝のランドマークにしている。

ビルの窓。あの消えたり点いたりする明かりを観察するのが習慣になった。規則性を探ろうとしても見つからない。だからこそ、その不規則性に自分の想像力が引き寄せられる。知らない誰かの、知らない人生の断片。それを毎朝のように思うようになった自分に、少し驚いている。

今朝、いつもの信号で止まった時、別の景色に気づいた。工事現場。昨日までなかった。黄色いネットと看板。ここから先の道が変わるのだろうか。予測不能な変化が、単調な日常に割り込んできた。

いま、その工事現場の前に立ち止まっている。進むか、別の道を探すか。迷っている。だが、迷っている時間もまた、この街の朝焼けの中に組み込まれている。毎日同じ道だと思っていたのに、その同じ道がもう同じではなくなっていることに気づき始めた。

自転車を押して、別の路地を進んでみることにした。

続きはまもなく

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