第1話
第一話 領収書の山
毎月、給料日から数日もすると、なぜか懐が寂しくなる。そんなことが半年も続いていた。
ある日の夜、僕は家計簿アプリを開いた。普段は見て見ぬふりをしていた履歴が、ズラズラと並んでいる。給与は変わっていないはずなのに、貯金が増えない。むしろ減っている。
「何に使ってるんだろう」と呟きながら、スクロールしていく。映画館、コンビニ、サブスク、カフェ……。小さな出費ばかりだ。でも、それらが集まると相当な金額になっている。
ふと、携帯の明細も確認してみた。プランを変えたはずなのに、なぜか基本料金が高い。オプションサービスの履歴を辿ると、試用期間だけ無料の何かが勝手に課金されていた。
何ヶ月も気づかなかった自分に、少し呆れた。
翌日、僕は一つ一つ確認することにした。クレジットカードの登録情報、保険の契約内容、会員サイトの自動更新。こんなことに時間を使うなんて、と最初は思ったが、やってみると意外と面白かった。
「あ、これ使ってなかった」「このプラン、もっと安いのがあるな」
小さな気づきが積もっていく。固定費というやつは、一度設定したら放っておくものだと思い込んでいた。でも実際には、定期的に見直す価値があるらしい。
その夜、僕は手帳に「来月からの変更」をリストアップした。どれも大きな決断ではない。だが、その合計は月々数千円。年間で考えると、結構な額だ。
何だか、やる気が出てきた。
続きはまもなく
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