第1話
第一話 「佐藤の話」
給料日の夜、居酒屋で同期の佐藤と会った。
「最近、投資信託始めたんだよ」
いきなり出た言葉だった。正直、イメージは株とか難しそうなやつ。銀行の窓口で無理やり勧められるやつだと思ってた。
「え、投資?大丈夫なの?」
佐藤は笑った。
「俺も最初そう思ってた。でもさ、このままだと給料が銀行に寝てるだけじゃないですか。何もしないって、ある意味すごいリスクだと思わない?」
その言葉が妙に引っかかった。確かに、毎月の給料は貯金に回してるだけ。インフレとか聞いたことあるし、昔の100円が今は100円じゃないとか。
「でもいきなり大金を投じるわけじゃなく、毎月少額から始められるらしい。で、詳しく知らないから俺も今勉強中」
佐藤は続けた。
「つまりさ、何もせず銀行に預けてるのと、勉強しながら少しずつ始めるのとどっちが得か、みたいな話」
帰り道、スマホで検索してみた。投資信託のサイトが出てくる。専門用語だらけで一度は閉じた。でも、もう一度開いた。
何もしないって、本当にそれでいいのか。給料はもらってるけど、その先のことを考えたことなかった。将来について、何も計画してない気がして急に不安になった。
月曜日、昼休みに佐藤に連絡してみようと思った。
続きはまもなく
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