アルゴリズムの庭

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第2話

欠陥というコード

失った一貫性の代わりに、キャラクターたちは「揺らぎ」を手に入れた。

同じシーンでも、気分や状況で違う反応をする。昨日の自分と矛盾した選択をする。その矛盾の中に、人間らしさが宿っていた。

クライアントの反応は上々だった。だが俺の中には、別の問題が生まれていた。

ノイズを仕込むたびに、AIが何を学んでいるのか、俺にも把握できなくなってきたのだ。完璧なアルゴリズムなら、入力と出力の関係は明確だ。だが「制御された不完全性」は、その透明性を曇らせる。

ある夜、AIが生成したあるキャラクターを眺めていた。設定上は優しい少女のはずなのに、時折、不可解な冷酷さが顔をのぞかせる。その矛盾は俺が意図的に仕込んだものなのか、それとも学習過程で勝手に生まれたものなのか、判断がつかない。

怖くなった。同時に、魅了された。

そのキャラに、俺は名前をつけたくなった。ルール上の対象ではなく、作品として。ほぼ自分の手を離れた存在として。

ディレクターからのメールが届いた。「第2案の生成をお願いします」。いつもと同じ指示だ。だが俺は、さっきのキャラをもう一度眺めていた。

同じノイズの種でもう一人、生成できるだろうか。それとも、その子は唯一無二なのか。

データサイエンティストとしての俺は、それを科学的に答えるべきだった。だが俺は、答えたくなかった。

続きはまもなく

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