情報の庭を耕す

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第1話

第一話 タブを閉じられない夜

またタブが増えている。Notionのテンプレート、Obsidianのプラグイン、Roamのチュートリアル。まるでアプリを集めることが読書になったかのような錯覚に陥っていた。

昨年、僕は「情報管理の最適化」という名の沼にハマった。最高の読書メモシステムを求めて、次々とツールに手を出した。同期されるクラウド、AIが補助する検索、双方向リンク、バックリンク。機能を追加するたびに、なぜか心は満たされず、むしろ不安は増していった。

気付いたのは先月。古い手帳を整理していた時だ。五年前の走り書きメモが目に留まった。その時の自分は、本から何を感じたのか、なぜそこに線を引いたのか——不完全だが、確実に「思考した痕跡」がそこにあった。一方、デジタルの方は?整理され、検索可能で、完璧だが、どこか無機質だ。

「効率的なメモ」と「思考の記録」は別の問題なのかもしれない。そう考え始めた時、僕はようやく、ツール選びから卒業する準備ができたような気がした。

明日、試してみようと思っている。何も使わずに本を読むことを。

続きはまもなく

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