親の弱さを意識したのは、自分が社会人になってからです。それまでは親を絶対的な存在だと思っていたのですが、ある時父が仕事で失敗して落ち込んでいるところを見かけて、初めて親も人間なんだという当たり前のことに気づきました。
それまでは何か悩みを相談すると、親は常に正しい答えを持っているはずだという無意識の期待がありました。だから親の意見と自分の考えが違うと、自分が間違っているに違いないと思い込んでいた部分があります。でも親の判断ミスや迷いを目の当たりにしてから、親も試行錯誤しながら生きているんだという認識が生まれました。
そこからは親との関係が随分変わりました。相談するときも、親からのアドバイスを一方的に受け取るのではなく、一緒に考える感じになったんです。親が「これがいいと思う」と言っても、「でも〜という点はどう思いますか」と対等に問い返すようになりました。
興味深いのは、こういう変化が逆に親との距離を縮めたということです。完璧な親を求めるのをやめたら、むしろ親の人間らしさが愛おしく感じられるようになりました。親も自分の判断に自信がない場合があることを知ったからこそ、親の決断を尊重できるようにもなったし、同時に親も自分の選択をより尊重してくれるようになった気がします。
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