短編を書くときは、正直なところ自分も迷うことが多いです。数年前、友人の創作サークルで短編を何本か読んでもらったことがあるんですが、そのときに気づいたことがあります。
冒頭で謎を仕込んだバージョンは、読み手は「続きが気になる」と言ってくれるんです。ただ、感想を聞くと「でも登場人物に感情移入できなくて、読むのをやめたところもあった」と。一方、親近感を優先させたバージョンでは「キャラに共感しながら読めた」と言ってくれるけど、「でも盛り上がりに欠けた」という指摘もありました。
自分の経験では、短編だからこそ両立を狙うのは難しいんだと実感しました。限られた文字数で謎と親近感の両方を丁寧に描くと、どっちつかずになってしまう。むしろ、読み手がその短編を通じて何を得たいのかで判断するほうが良さそうです。キャラクターの心情に浸るのが目的ならば親近感を、先の展開を知りたくなる快感を味わいたいなら謎を、といった感じで。
最近は「謎か親近感か」ではなく「この物語の核は何か」を最初に決めることにしています。そうすると、冒頭で何を優先すべきかは自ずと見えてくる気がします。
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