片付けの迷宮

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第1話

第一話 散らかった部屋、散らかった頭

土曜日の朝、田中は自分の部屋を前にため息をついた。先週末に片付けたはずなのに、もう元通りだ。洋服、本、書類、使い終わった食器。どこから手をつけていいのか分からない状態が戻ってきている。

「また始まった」と呟きながら、彼はベッドの端に座った。過去3ヶ月間、こんなことを何度も繰り返している。ネットで見かけた片付けテクニックを試してみたり、収納グッズを買ってみたり。でも続かない。気づくと元の状態に戻っている。

その日の昼間、何気なく開いたSNSで目に入った投稿があった。「お金に詳しい個人」というユーザーのポストだった。内容は片付けについてではなく、浪費癖についての話だったのだが、その中の一文が妙に引っかかった。

「片付けが続かない人って、実は自分の『優先順位』が見えていないことが多い。それはお金の使い方も同じ。何が大事で、何が不要か、判断基準がないんだよね」

コメント欄には、その投稿に共感する声が並んでいた。その中に「片付けも家計管理も一緒」という指摘があり、田中は考え込んでしまった。

自分の部屋を見回す。捨てられない服、いつか読むと思って積み重ねた本、何に使うのか分からない小物たち。そして、給与が入ると何となく使ってしまう癖。浪費癖も、ある。

確かに、自分は判断基準を持っていないのかもしれない。それは部屋にも、家計にも、その他もろもろにも。

田中はスマートフォンを握りながら考えた。片付けの本を読むのではなく、もう一度、自分の部屋と向き合ってみたい。そして、なぜ片付けが続かないのか、その本当の理由を探ってみたい。

あの投稿者のように「詳しい」わけではないけれど、まずは自分自身の優先順位を整理する。そこから始めてみよう。そう思った矢先、スマートフォンの画面が光った。

続きはまもなく

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