第2話
予想外の「変化」が始まる
この時点ではまだ、この小さな一歩が自分の人生を変えるとは思っていなかった。
翌日、朝起きてまず確認したのはメールじゃなくて、そのアプリだった。自分の資産の増減を。夜中に数百円増えていた。ほんの数百円。でもこれが不思議と嬉しかった。銀行の普通預金では絶対に起こらない変化だ。
以来、毎朝の習慣になった。朝起きて、アプリを開く。数字を眺める。その日の変動に一喜一憂する。同僚との会話も変わり始めた。昼休みに投資の話題が出ると、今までは生返事していたのに、急に関心が高まっていた。先輩に質問をしてみたり、ニュースアプリで株価欄をチェックしてみたり。
一週間後、思い切ってもう少し多めに投資してみた。給与の数パーセント程度。すると、月末にはそれなりに数字が動いているのに気づいた。増える日もあれば、減る日もある。最初は減った日が落ち込んだが、それも含めて世界の動きが自分に直結しているという感覚が、悪くないと感じ始めていた。
同時に、別の変化も起きていた。家計管理への目線だ。投資に回すお金を増やしたくて、無駄遣いに気づくようになった。コンビニの立ち寄りが減り、給与明細を真面目に読むようになった。さらに増えていく投資額とともに、自分の人生における「お金」の位置づけが、微かだが確実に変わっていっていた。
ただ、この変化が本当に良いものなのか、それはまだ分からなかった。むしろ、ここからが試練の時期に差しかかろうとしていた。
続きはまもなく
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