レシピから卒業する

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第1話

第一話 指が覚えていた

月曜日の夜。いつものようにスマホを手に台所に立っていた。今日は何を作ろう。検索ボックスに「簡単 平日 夜飯」と打ち込む。出てくる候補の中から、見た目が地味だけど評価が高いレシピを選んだ。

タマネギをみじん切りにして、ニンニクを…あ、これ先週も同じの作ってたな。その時も同じレシピで、その前も。

気づくと手が動いていた。スマホを見ずに。火加減も何となく。塩加減も何となく。

おかしい。自分いつからこんなに料理できるようになった?

会社員時代、毎日コンビニ弁当だった。朝の時間がないから、夜も疲れてるから、週末も面倒だから。そんな理由で外食ばかりだった自分。それがいつの間にか、朝の15分で弁当を詰める生活になってた。

料理系YouTubeも見始めたし、インスタグラムで映える盛り付けとかも意識し始めた。でもそれって、正直どうでもよくて。本当は、レシピを見ずにタマネギ切ってニンニク炒めて、何かを加えてって、その流れが心地よくなってたんだ。

フライパンの中で何かが色づく。いい匂いがする。スマホを置いた。もう必要ないのかもしれない。

テーブルに向かって、ちょっと笑った。これが自炊を続けるって感覚なのか。

続きはまもなく

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