引き算の余白

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第1話

第一話 朝日の差し込む部屋

朝、目を覚ましてから床が見えるまでにどのくらい時間がかかるか、考えたことはありますか?

私は最近、そんなことばかり考えています。

六畳の部屋に住む私にとって、床が見えるということは意外と大事な出来事でした。かつての私の部屋には、買ったまま使わない服、読み終わった本の山、「いつか使うかも」という理由だけで保管されている調理器具たちが、あちこちに積み重ねられていました。朝日が入っても、その光は物の表面で反射するだけ。床まで届くことはありませんでした。

ある日、片付け関連の記事をなんとなく読んでいたら、妙に気になってしまったんです。「本当に必要な物って、意外と少ないのでは」という問い。

そこから始まりました。最初は意気消沈して、でもだんだんと、何かの儀式のように物を手に取り始めたんです。これは?これは?と、一つ一つに向き合う作業。正直、最初のうちは疲れました。判断の連続って、思ったより心が削られるんですよね。

でも、一ヶ月くらい続けていると、不思議な変化が起きました。朝、カーテンを開けたとき、光がスーッと部屋全体に行き渡るようになったんです。床が見える。風が通る。そして、私がその空間に立ったとき、なんだか呼吸がしやすくなったような気がしました。

物を手放すことって、単に空間を作ることじゃないのかもしれません。何か、もっと複雑で、繊細な何かが起きているような気がして。今、私はそれが何なのか知りたくて、朝日の差し込む部屋で立ち尽くしています。

続きはまもなく

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