良い介護って、何かを「してあげる」という一方向の関係じゃない状態だと思う。祖父の介護に少し関わった経験から感じたことなんですが、最初は僕たちが祖父のために何をするべきか、みたいに考えていたんです。でも、ある時ケアマネさんが『本人は今、何がしたいですか?』って聞いてくれて、その問いかけで視点が変わった。
祖父は毎朝庭を見るのが習慣だったんですけど、体が不自由になって窓から見えない位置のベッドに寝ていたんです。介護の効率を考えると、その方が世話しやすいんですが、ある日祖父が『庭が見たい』と言った時に、移動を手伝うようにしたら、その後の表情が全然違った。それまで『こちらが用意する日程や方法』に従うだけだったのが、祖父自身の『やりたい』が戻ってきた感じがして。
そこからは、祖父とのやり取りの中で何ができるか、何がしたいのかを聞く時間を意識的に作るようになった。完璧な介護より、本人の希望がどこにあるのかを見つける方が、介護を受ける側の心持ちが変わるんだなって気付いた。だから僕にとって良い介護は、相手を『支援の対象』から『人生の主人公』に戻す関係なんだと思います。
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