スポーツの世界にいると、科学知識が『自分のもの』から『みんなのもの』に変わる瞬間を何度も経験します。最初は自分で発見した知識が特別に思えるんです。例えば、走力を高めるには筋繊維のタイプが関係しているとか、心肺機能の数値がパフォーマンスにどう影響するとか、そういった話を学ぶと興奮します。
ですが、SNSで少し詳しく発信すると、もう自分の領域ではなくなっていくんです。コメント欄に研究論文へのリンクを張られたり、自分が知らない最新知見を指摘されたり。その時点で、自分が持っていた知識は実は入口に過ぎないことに気づきます。さらに厄介なのは、自分の経験だけに基づいて書いた内容が、異なる環境下では全く当てはまらないことに後から気づく場合です。
個人的には、知識を発信した直後くらいでしょうか。反応をもらって初めて『あ、これは科学というより、自分の限定的な体験談なんだ』と自覚する。むしろそこからが面白いのですが、謙虚さは必要だと感じます。スポーツは個体差が大きいから、科学的事実と個人的な応用は分けて考えるべきだと学びました。
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